引手を追加して水屋箪笥の扉が更にスムーズに
先日のコラムで書かせて頂いた内容でもありますが、水屋箪笥をはじめ引違い戸や抽斗がスムーズに動くことは非常に重要です。その過程でお客様より引手の追加のご依頼を受けることが多くあります。単純な作業に思えますが、既存の塗膜を傷めずにかつ正確に作業することはそれほど簡単ではありません。
それでも建具の動かし易くするためには仕上げの部分で大変有意義ですので作業させて頂きました。
敷居部分の調整という肝心要が終了した後の段階の最後の補足的な作業です。
上質な黒檀の引手を埋め込みます。建具の框より飛び出していると引手の厚み分せりあう恐れがあるため埋め込み型を使用します。埋め込み型の場合框と平らになるため、寸法に正確さが必要で遊びがとりずらい為繊細な技術が求められます。
当然ですが深く掘りすぎると埋まりますし、引手のサイズがきっちり落とし込める穴を掘る必要があります。専用の補助工具を使用して弊社では流れ良く進められるように段取りしております。一つ一つ確認していては時間がかかりすぎるため、いつでも対応可能な形で準備はされております。
水屋箪笥は時代箪笥だから意匠的な部分はそのままが良いお客様に対して、今後愛着を持って使っていきたいから引手等は必須で欲しいという方も沢山いらっしゃいます。
良い悪いは一切関係ありませんので、私たちはご希望頂きました作業を丁寧に行う気持ちでおります。ご納得頂ければ嬉しいですので細心の注意を持って作業するのみです。