蔵戸や板戸などの建具を便利に使うために その1

水屋箪笥や階段箪笥といった時代箪笥と同様に現代人には理解できない品質を持つのが蔵戸や板戸といった建具類です。蔵戸は欅や檜といった高級材を使用して重厚に製作された建具本体、そこに装飾性の高い金具が組合わせれた美しさがあります。格子戸は非常に繊細な格子が一本一本丁寧に作られ框組されて上品な雰囲気を醸し出しています。板戸には板戸の、欄間には欄間それぞれの素晴らしさがあります。

材質も素晴らしく、技術も現代よりはるかに高い職人さんが心を込めて、時間をかけて製作した建具を現代の住宅に使用されるとそれは素晴らしい空間が仕上がってまいります。

しかし、水屋箪笥と同様に100年近く経過すれば何かしらの問題が生じていることがあります。ただ使用すれば素晴らしい空間が出来上がるわけではありません。
弊社木工職人に確認しましたところ、経験から約60%程度の建具にはぐらつきを伴う緩みがまた今後のために締め直しをしておきたい程度の緩みがあると回答がありました。

楽しく素晴らしい時代建具のご活用には、やはり踏まなければいけないステップ・段取りがあります。

このコラムでご紹介させて頂きますのは、基本中の基本のぐらつきの締め直しです。

新築やリフォームの際にお客様が夢の空間つくりをかなえていく中で、完成後使用した建具がぐらついてしまっていたら最悪です。折角の蔵戸や板戸など時代の味わいを楽しみどころではありません。

するべきことは単純です。建具を左右に揺らしぐらつきがあれば一旦框を外してノリをたっぷりと追加して締め直しを行う。一晩しっかり寝かして落ち着かせます。

 

次回のコラムはまた便利にご使用いただくための弊社の取り組みをご紹介させていただきます。