工房でのリストア作業

私たちがこだわるリストア(修復)の目的は時代箪笥・建具の持つ素晴らしい味わいを徹底的に大切に守ること、
そしてその素晴らしさをお客様にストレスなくお楽しみ頂くことです。
長年使用された可動に係る部分、たとえば敷居の摩耗などの不具合を放置して使用することが最も箪笥にダメージを与え、
時に寿命が来たと廃棄の原因になってしまいます。
ですから私たちは時に「そこまでやるの」と形容されるほど、丁寧に丁寧に必要な作業を日々行っております。

リストア時代箪笥のリストア
作業全体の流れ

建具のリストア
作業全体の流れ

メンテナンス

時代箪笥のリストア 作業全体の流れ

上質な水屋箪笥にもう100年の息吹を吹き込む

STEP1

リストア開始

上質な水屋箪笥ですが長年の使用により耐久性が劣化または悪化している部位 があります。そのまま放置して見た目の味わいのみ綺麗に整えるだけで、可動部分の不具合等の問題を放置して使用し続けることは何ひとつ良いことがありません。
末永くご愛用頂けるように根本的な修繕を行います。

STEP2

メンバーでのリストア計画をたてる

一点ごとに、リストアに関わるメンバー間で計画を立てます。
これにより調整方法についてメンバーの相互理解が得られ、ロスや無駄を生じることなく作業を進めることができます。
大切な箪笥に万が一にもミスによりダメージを与えることが無いように入念な打ち合わせを行います。

STEP3

動作確認・原因確認

まず、箪笥の状態を確認します。
抽斗や扉の可動部分の動きを確認し、動きがスムーズでない原因を探ります。
また天板や中の棚板の状態をも確認し、傷みや現代の暮らしに不都合がないかどうかも併せて確認を行います。

STEP4

調整・修繕

抽斗の動きが悪いときは抽斗のみならずガイド部分まで調整を行い、
扉の動きが悪い時は敷居部分の突き直しも行います。
また箪笥の状態に合わせて天板や棚板の作り変えを行い、
お客様に不自由なくお使いいただける状態まで修繕します。

STEP5

リストアの完了

磨きも完了し、しっとりとした艶がある仕上がりに。
アンティークらしい味わいはそのままに、可動部分はきちんと動く時代箪笥となりました。このようにリストア技術で丁寧に調整を行えば家具として再びお使い頂け、時代家具の時代の味わいの素晴らしさをお客様にご堪能いただくことができるようになります。

建具のリストア 作業全体の流れ

味わいのある建具をお客様のライフスタイルに合わせたリストアをご提案

STEP1

リストア開始

味わいある蔵戸ですが、お客様のお住まいに設置するためには横幅が広すぎるため幅加工の必要があります。
また引き戸としてだけでなく、ドア仕様に加工することも可能です。

STEP2

メンバーでのリストア計画をたてる

一点ごとに、リストアに関わるメンバー間で計画を立てます。
これにより調整方法についてメンバーの相互理解が得られ、ロスや無駄を生じることなく作業を進めることができます。
大切な建具に万が一にもミスによりダメージを与えることが無いように入念な打ち合わせを行います。

STEP3

幅の加工を行う

強度確認、ホゾの突き直しやノリ追加を行った後、框を締め直し強度を高めて幅調整が完了します。
ひとつひとつの工程が熟練した職人による丁寧な確認を経て、必要性が合理的に判断された場合のみ、事前にガイドラインを立て、徹底的に根本から調整が行われます。

STEP4

ドアとしての加工

お客様の要望に応じてドアノブを設置します。
またエアコン等の空調事情もかつてと異なるため、現代のお住まいに合うよう加工を行います。

STEP5

リストアの完了

アンティークな蔵戸の味わいそのままに、現代の住まいに合ったドアとしてご活用いただけるようになりました。
このようにリストア技術によって、お客様の空間のためにご要望に応じた調整を行うことが可能です。

メンテナンス

職人が命を預ける機械にはどんなに慌ただしくても手間を惜しまずメンテナンスを行う

昇降盤の刃交換

大きな刃が回る昇降盤は、最も怪我をしやすい機械のひとつです。
怪我が起こりやすいのは切れ味が悪いとき。
機械を信頼してこそ日々の仕事ができる古福庵では、リスクを減らすためにも日常的な手入れが欠かせません。

手押しがんなの刃交換

木材を細かく削る手押しがんなは、実は3枚の刃がついており、こちらも常に危険と隣り合わせの機械です。
刃の交換には大変な集中が要求されます。
古福庵では、機械のメンテナンスは誰もができるよう持ち回り制で全員が担当します。

丁寧に油を差して拭く

機械は生鉄で出来ているため水分に弱く、すぐにサビてしまう危険性があります。そのため毎日可動部分に油をくべ、板を油で拭きます。
ただ拭けば良いというのではない、とても真剣な作業です。

機械は生鉄で出来ているため水分に弱く、すぐにサビてしまう危険性があります。そのため毎日可動部分に油をくべ、板を油で拭きます。
ただ拭けば良いというのではない、とても真剣な作業です。

古福庵のストーリー

私たちの仕事には信念、
そしてそれに至った理由があります。