ストレス無く水屋箪笥をご使用頂くために必要な事 その1

時代箪笥は水屋箪笥も階段箪笥も衣裳箪笥もどれをとっても現代に生きる私たちには理解することが困難な位に素晴らしい仕事が施されています。しかし100年も経てば素晴らしい味わいがついておりますが、消耗している場所が発生します。
特に摩耗が激しいのが敷居です。ここを放置していると次のようなストレスが発生します。

1.扉の引違がスムースに行えないまた扉が擦れ合ってしまう。
2.扉の高さが足りず倒れてしまう。

敷居の摩耗が大きな要因のため、ここはしっかりとリストアしておく必要があります。
敷居が摩耗しているためレールとしての機能を果たさない。摩耗しているため下に掘れてしまっているために扉の高さが届かないということになります。

弊社ではこの点古材を使用して敷居を突き直し本来あるべき姿に戻します。
本来あるべき姿とはその水屋箪笥を当時の職人さんが生み出した時の扉と敷居の関係に戻すことを意味しています。

原因がはっきりしていますので、対処さえ丁寧に行えばストレス無しに時代の味わいをご堪能いただくことが可能です。

作業の工程を少々説明致します。

まずは既存の敷居を一旦取り除きます。

 

次に古材を使用して生み出された敷居を落とし込み圧着します。

 

画像のような仕上りの敷居が再生されました。あとは新しい敷居と鴨居の間で建具がスムースに滑るように調整すれば扉部分の調整は完了です。


 

基本的に敷居を持つ帳場箪笥やガラスケースなど同様の作業が入ります。