山田 武

もう一度、ハレの舞台に上げてあげたい。

ものづくり。自分との戦いの世界。

木工班が修繕した家具を、さらにお客様に喜んでいただけるよう仕上げるのが 山田の仕事です。大きなファンがいくつも回る広い空間で、魅力的に見せる色 入れなどを行なっています。全く異なる業種からものづくりの仕事へと転身し た経緯を振り返り「人に対して期待をすると、期待以上のものが返ってくるこ ともあればそうでないこともあって難しい。でも物は、かけた期待がそのまま 返ってくる。自分しだいの世界ですね」と笑います。

左:塗料を吹き付ける「ガン」と呼ばれる道具。大きさの違うものを複数使い 分ける。 夏は暑く冬は厳しい寒さの工房にあって、「夏は暑いけど、汗いっぱいかいて 3リットルくらい水飲んで、かえって健康的かも。ハハハ」と笑うたくましさ。

骨董家具に注ぐ、やさしい眼差し。

 

「僕たちが扱っている家具は作りの良いものばかり。できたとき、すごく喜ん でもらったはず。もう一度ハレの舞台に上げてあげたいなって思うんです」と 、山田。「逆に言えば、僕たちがいなければ、これらは時代とともに消えてし まう。またいる場所を与えてあげたい。古福庵を通ったことによって」。山田 が骨董家具に向ける眼差しはとても暖かく、やさしいものでした。そんなふう に仕上げられたからこそ、再び人を感化し、心を揺さぶる家具となるのだと思 います。

代表からの一言

段取りを決めたら淡々と冷静にベタ凪の海のように仕事を進めていく人です。
流れよく丁寧に仕事を進めていくことが職人としてのポリシーにあるのだと思います。
実際に話をすると饒舌で自然な笑顔の絶えない優しい人柄です。