江戸時代から続く長い歴史を持つ仙台箪笥

仙台箪笥といえば、まずは大変豊富な鉄金具のデザインと杢目の素晴らしい欅や栗等の上質材を漆で鏡面仕上げにしていく木地路塗りが特徴に挙げられます。指物技術も大変高く、箪笥自体が良くなければその後の工程にまで影響がありますので指物・塗り・金具を同列とし全てを生産工程で大事にしていたようです。
江戸時代には武士の刀や羽織等収納していたようですが、明治時代には大変反映し高級衣裳箪笥としての地位を確立していきました。

木地路塗りは30工程以上を丁寧に行うことで、鏡面仕上げの中に美しい欅の杢目を見るという大変手間のかかる高級な技法になります。私達が扱う仙台箪笥の多くも同様の工程を経ています。
その他の水屋箪笥や蔵戸や板戸など建具等も同様の工程を様々な産地で行っていたかと思うと、なんだかとてもわくわくした気分になって来ます。

一方の金具についても専門の工程として徹底的に磨き上げ、何より種類の豊富さと分厚い金具の仕上がりの質の高さが誇っていました。代表的には唐草模様の中心部に菊や福などを持つ金具があります。その他にも鳳凰や唐獅子牡丹など稀少な金具等数多くの種類を持ちます。

唐草模様は唐草の切れ目のない生命力の高さを評価し、人々の幸福への願いを反映させるため採用されたことと思われます。当時は食器でも唐草模様は花唐草や微塵唐草といった形で数多く生まれていますのでその生命力に人々が魅力を感じていたのでしょう。

非常に稀少な金具としては下記の画像の様なものまであったようです。産地としての実力の高さが良く分かります