建具作業
-詳細工程-
ホゾの再現(蔵戸)1
職人技が要求される、かつてと全く同じ昔ながらの方法で丁寧に切り出し、そっくりホゾを再現しています。
きっちりとホゾ組みをし、最後に逆楔を打ち込むことでホゾが開き当時と同じ強度にて再生可能です。
ホゾの再現(蔵戸)2
ビス留めでは木自体の力が金具を飛ばしてしまい、建具が壊れてしまうことも珍しくありません。
このようにホゾ組みによって幅を詰めることで、現代の住居でもアンティークの建具を末長く楽しんでいただくことができるようになります。
蔵戸の詰め(裏)
裏もそのままの雰囲気です。
蔵戸の詰め(表)
もとの味わいはそのままに、幅の調整が完了。お客様のお宅に設置することが可能なサイズになりました。金具がセンターに来てシンメトリーになるよう、美的観点からも丁寧に調整しています。
ワーロンを設置
現代の空調事情に合わせ、隙間から空気が通り抜けないようワーロン(アクリル樹脂)を設置。
ワーロンに限らずガラス等も入れ込むことが可能です。
ハンドル設置(設置前)
蔵戸を現代のドアとして使用するには、ドアノブの設置も欠かせません。
無理なくお住まいでお使いいただけるよう、ハンドルの設置を行います。
ハンドル設置(設置途中)
昔の鉄は純度が高くすぐに錆びてしまうので、あまり長持ちはしません。
そのためハンドルの金具は、より耐久性のあるステンレス等に変更しています。
ハンドル設置(設置後)
ハンドルがつき、アンティークの蔵戸の味わいそのままに、現代のお住まいに合ったドアとしてお使いいただけるようになりました。
このように様々な加工を施すことで、建具も、お客様のご自宅で存分にお楽しみいただけるのです。
ガラスの洗浄(ガラス戸)1
ガラス戸では、その味わいある美しい色合いのガラスが主役ですが、経年により汚れています。そのため一度ガラスを外し、丁寧にガラスを洗浄します。
ガラスの洗浄(ガラス戸)2
繊細なガラスではありますが、力を入れて洗わないと長年溜まった汚れはなかなか取れません。
かなり力を入れるので、タワシがいつのまにかとてもすり減ります。
ガラスの洗浄(ガラス戸)3
しっかりとガラスを洗うと、このようにとても綺麗な色合いに蘇ります。
ガラスの設置(ガラス戸)1
洗浄するために一度外したガラスを、再び一つ一つ設置していきます。薄いものでは1.5mmほどしかなく繊細なので、ここでも丁寧な仕事が要求されます。
ガラスの設置(ガラス戸)2
丁寧に丁寧に、ガラスを元どおり組み込んでいきます。綺麗になったガラスは、まるで命を吹き返したかのようです。
ガラスの設置(ガラス戸)3
ガラスを元の位置に戻したらネジで留めていきます。ネジは、今は効率化のため使われなくなったマイナスネジを使用。やはり味わいが違います。
ガラスの設置(ガラス戸)4
マイナスネジは現代ではもう生産されていないので、デッドストックを買い集めて使っています。
締め1
建具は、サイズ調整等で分解・再構成したのち、強度確保のために締め作業を行います。
締め2
このように締めた状態で、一晩寝かせます。
建具完成
一点ごとに異なる特性やデザインに合わせ、様々な調整・加工を施したのち、建具は完成します。
たくさんの工程を経ての完成ですので、やり遂げた後には思わず笑顔がこぼれます。